父の死後そのままにしていた相続登記。義務化されたとあってやっと重い腰をあげ、プロにたのむのではなく自分でやりました。
やることは基本的に、
- 登記申請書を作り
- 登録税を払い(印紙で)
- 必要書類を添えて提出する
ってだけなんだけど、状況によって作る書類が増えたり集める書類が増えたりします。
わが家の場合もこのシンプルパターンではなく少し余分な作業があり、素人ゆえに理解に時間がかかり困ったこともたくさんありました。なのでブログに遺すことで同じように自力で相続登記をする場合の手助けになればと思います。
そこでまずは、法務省のサイトの案内(登記手続ハンドブック)を見るのがおすすめします。
ただこの法務省のサイト、冊子のPDFなので、パソコンやスマホではちょっと見づらい。
とはいえ本やネットの情報と比べて一番正確で最新なので、迷ったことは本家で確認しましょう。
私のブログも参考程度にね。
私が相続登記をしたのは、2025年です。他のネット情報や書籍と食い違いがあった場合は、法務省のサイトで最新の情報を確認してください。
わが家の相続登記のパターン
- 対象は実家で、父名義の土地と建物のみ
- 相続人は妻・子二人だが妻のみが相続
- 法定相続ではなく遺産分割協議により相続人を決めたという形
- 証明書類は返却希望
- 郵送にて提出
「遺産分割協議」「書類返却希望」「郵送」ってことで、提出書類が増えました。
そんな我が家の相続登記でやったこと、大まかな流れはこんな感じ・・・
- 戸籍や印鑑証明などの必要な公的書類を集める
- 提出書類を作る(ひな形があるのでむづかしくない)
- 返却希望する書類のコピーを取ってまとめ
- 印紙・切手を買いに行き
- 返信用封筒を用意する
- すべてまとめて書留で提出
- 二週間くらいで登記完了証と登記識別情報通知書が送られてきた
それでは、やったことを順番に説明していきましょう。
必要な書類を集める
法務省の相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等で必要書類の確認
わが家の場合(法定相続人は、妻と子二人)
被相続人(父)のもの
- 戸籍謄本
- 除籍謄本
- 改製原戸籍
- 住民票の除票(又は戸籍の附票)
役所の人に「被相続人の生れてから死亡までの戸籍が必要・相続登記に使う」と言ったら、申込書の必要箇所にチェックしてくれました。助かりました。
被相続人あてに送られてくる
- 固定資産課税明細書
毎年4月に送られてくるものです。申請する年度のものが必要。
法定相続人(全員)
- 戸籍謄本(抄本)
- 印鑑証明書
新しい所有者(我が家の場合、母)
- 住民票
提出書類を作る
作成が必要な書類は、
- 登記申請書(絶対必要)
- 遺産分割協議書(法定相続どおりなら不要)
- 相続関係説明図(場合により必要)
私の場合は全部必要だったので、ひとつづつ説明します。
登記申請書
法務省不動産登記の申請書様式についてにテンプレートと記載例があります。私の場合は目次の「2 所有権の移転 2-1 相続 遺産分割」のところ
記載例と注意書きを見ながら記入しました。迷ったとこだけ説明します
□登記識別情報の通知を希望しません
登記識別情報の通知を希望しません、にはチェックしない
課税価格
固定資産評価明細書の「価格」とか「評価額」と表記されている金額。土地と建物(他にあればそれも)すべて合計します。
「価格」で迷った
基準になるのは「価格課税標準額」ではなく「価格」「評価額」などと記載されている金額
自治体ごとに「固定資産課税明細書」の様式が違うので迷いました。こういう書式は全国で統一してほしいですね
登録免許税
先ほど計算した「課税価格」をもとに計算します。(遺産分割協議による相続登記の場合)
- 課税価格の千円未満を切り捨て
- 税率0.4%をかける
- 100円未満を切り捨て
この金額が登録免許税
例外パターンもあるみたいなので一応チェック。登録免許税の計算
不動産の表示
大むかしの権利書の表記どおりに記入しました。数字も漢数字だったり、番地の書き方が土地と建物で違ったりしましたが(一番地の二と一番地二、といった具合)、そのまま記入しました。
遺産分割協議書
「話し合いで決めた」ということを証明する書類ですね。
いろんな司法書士事務所のホームページでテンプレートを載せているのでそれを使うと便利。私はどこの事務所のを使ったか忘れちゃいましたが、使いやすそうなのを探してみてください。
この書類に実印を押します。だから印鑑証明が必要なわけです。
相続関係説明図
各戸籍の証明・印鑑証明・住民票など、コピーを提出することで原本を返却してもらるのですが、そのうち戸籍謄本・抄本、除籍謄本、改製原戸籍については、相続関係説明図を提出すればそれらの代わりになり、コピーの提出は不要というものです。
書類の返却が不要であれば、全部原本で提出すればいいのでコピーも相続関係説明図も必要ありません。ただ我が家の場合「全部とっておきたい」と母が言うので、コピーをとって相続関係説明図も作って返却してもらうことにしました。
相続関係説明図は、法務省の主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例にテンプレート(EXCEL)があって、タブでいろんな(子の人数)パターンが用意されてます。
一番上の「法定相続情報」のところを「相続関係説明図」に書き換えて使います。
※名前のところにある(分割)というのは、相続しない人の名前の後に入れます。
相続関係説明図は作った方が良い?
最初は全部の書類をコピーしたんだけど、枚数が多くてホチキスどめできない。相続関係説明図を作ることで枚数を減らし解決しました。契印も大変だし、作ったほうが楽だと思う。
返却希望の書類のコピーを取る
- 遺産分割協議書
- 印鑑証明書(相続人全員分)
- 被相続人の住民票の除票(または戸籍の附票の除票)
- 新しい所有者の住民票
- 固定資産税評価証明書
私は相続関係説明図を作ったので戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍のコピーは不要です。
- コピーをまとめてホチキス止めする
- すべての見開きに契印
- 一枚目の余白部分に「原本に相違ありません」と記入し、登記申請書の申請人の署名・同じ印鑑で押印。
- 原本はクリップでまとめておく
※別途、原本の還付の請求書を作成・提出する必要はありません(法務省登記手続ハンドブックより)
契印がちゃんと押せなくて困った
書類の枚数が多いと開いたページの左右の段差が大きくなって、どうやっても片方は外枠だけになってしまう。かといって他にどうしていいのかアイデアもない。これ大丈夫か?と思いながら全ページに中途半端な契印。結果的にOKでしたけど、どうすればベストだったのか。
登録免許税分を支払
郵便局で印紙と切手を買いに行きました
印紙:登録免許税分
返信用封筒に貼る切手:定形外(返却される書類+数枚の紙の重さで計算)+書留+本人限定受取
印紙を台紙に貼ります
印紙を貼る紙はコピー用紙の真ん中にただ一列に貼っただけです。一応わかりやすいように金額が大きい順に貼りました。
ホチキス止め
「登記申請書」と登録免許税の金額分の「印紙を貼った紙」を、左側2か所でホチキス止め、見開き部分に契印を押します。
郵送する書類をまとめます
ここまでで全部書類は揃ったはず。これらをそれぞれまとめます。
1.提出する書類の束
以下の順番で一つにクリップでまとめました
- 登記申請書+印紙
確認:ホチキス止めした見開き部分に契印 - 相続関係説明図
- 返却希望の書類のコピーの束
確認:ホチキス止め
すべての用紙のつづり目に契印
1枚目に「原本に相違ありません、署名、捺印」
2.返却される書類の原本の束
クリップでまとめました
3.返信用封筒
確認:返信先住所を記入・切手の金額は正しいか(定形外+書留+本人限定受取)
まとめた書類を封筒に入れ郵便局へ
この時点で手元にあるのは、
- 提出する書類の束
- 返却される書類の原本の束
- 返信用封筒
以上3点のはず。
あとは封筒に入れ住所記入。あて先は管轄の法務局、書留で送るため郵便局へGOだ。
無事相続登記できました
約2週間語、無事に「登記完了証」「登記識別情報通知書」が返却希望の書類とともに送られてきました。
これにて終了。
直接法務局まで行けないので郵送でやったのですが、書類が届くまではドキドキでした。
でもなんとかできるもんですね。頑張った、私!