人生初の「血便」なるものがでまして...
そして人生初の「大腸内視鏡検査」をしました。
タイトルにも書いていますが、最初に言ってしまいます。
拷問級の激痛でした
検査の前後、ネットでかるく調べてみましたが、痛かったという体験談をみかけなかったので、パターンの一つとして参考にしていただければと思います。
”おシモ”の話が苦手な方はこの先注意。
始まりは深夜の腹痛から
夜中2時半ごろ腹痛で目が覚めました。
「あー、下痢だ」
救急車を呼ぼうかと頭をよぎるほどひどい腹痛でしたが、救急車を呼びたくともあまりの痛さにトイレを出られない。2時間近くもトイレの中で苦しんでいるうちに、緊急な状態ではないくらいまで落ち着いてきました。
その後も軽い腹痛と軽い下痢を何度も繰り返し、そして昼間とうとう血便が。
下血という感じではなく、最初は何となく便が赤っぽい気がするという程度。ですがそのうち完全に赤いものだけが出てきて「あー、これは血便ってやつだ」とやっと認識した次第。
血便の状態をたとえるなら、果肉たっぷりが自慢のイチゴジャムのような感じ。
時間とともに回復しているのは実感しますが、常にモヤーっとした吐き気がする状態で腹痛と下痢が続きました。
そんな感じの病院に行きたくても行けないくらいの具合悪さで、2日たちました。
3日目、動けるくらいに回復したので病院へ
内科の消化器系の先生に受診
以下は私がお医者さんに言われた事をこう理解したということなので、間違って理解した可能性もあります。参考程度にして下さい。
- 血が止まっているので静脈からの出血。動脈からの出血は止まらないそう。
- 血便の色が真っ赤なので大腸からの出血。胃や小腸など大腸より上の方だと、血液は固まって真っ黒な状態で出てくるとか。
- 便秘や下痢などもないし、問診の内容からだとがんやポリープからの出血というよりは、何かしら炎症がおきてそこからの出血の可能性が高い。
- あとは痔の可能性も。
おそらく炎症がおきてそこからの出血だと思われるが、正確な原因を突き止めましょう。ということで大腸内視鏡検査をすることに。
ポリープがあった場合はその場で切除するとのこと。その場合一晩入院になるので準備して来てください、と言われました。
検査の予約をし、腸の調子を整える薬と吐き気を抑える薬をもらい、血液を採取され、診察終了。内視鏡検査は4日後の14時です。
(内ミールキットは実費1,500円)
検査3日前からの食事制限
検査3日前と2日前
繊維の多いもの・消化の悪いものは避けるようにとの指示がありました。
例として、
食べてはいけないもの
海藻類・キノコ類・繊維の多い野菜・種のある果物・ごま・ピーナッツ・こんにゃく、など
食べてよいもの
肉・魚・たまご・豆腐、など
私の言った病院は、念には念をといった感じで指示が厳しめのようですね。3日前からの食事制限ですから。病院によって違うみたいなので、行った病院の指示通りにすればいいと思います。
前日の食事は検査用のミールキット
前日の食事は、病院でわたされた大腸検査食のみです。
味は予想通りのレトルト食品の味といったところですかね。量も物足りないのですが「検査食」なのでその辺はしょうがないですね。
最初は自分で作れるのにくらいに思ってましたけど、何を食べていいのか悩む必要もないし、食べた後に心配することもないのでこれは良かったです。
翌日飲む下剤の量が最低量で済んだのも、消化の良い検査食しか口にしなかったおかげではないかと思っています。
ネットでも買えるので、検査前日に間に合えばおすすめします。
モビプレップの準備
翌日に飲む下剤のモビプレップは冷たいほうが飲みやすいそうなので、夜のうちに水に溶かして冷蔵庫へ。
検査当日、自宅にて下剤を飲む
モビプレップを飲む
念のため事前にメーカーの公式サイトを見ると、病院からの飲み方の指示と違うことに気づきました。
モビプレップ1000ml→水500ml→モビプレップ1000ml→水500ml
病院からの指示は
モビプレップ1500ml→水750ml→モビプレップ500ml→水250ml
指定の量以外に飲んでいい水も、公式では制限はないとされているが、病院の指示ではコップ一杯+口を潤す程度。飲み始めから検査まで7時間もあるのに、です。
それに加えてメーカーのサイトによれば、1000ml飲んだ時点で便が透明になれば、残りは飲まなくてもいいとのこと。
迷った挙句、病院の指示どおりやるのはちょっとキツイ。という事で楽なほう、メーカーの公式の飲み方でいきます。
15分間隔でコップ1杯づつ、約1リットルを飲みました。
ちなみに味は、梅ジュースですね。それも自家製ではなく市販の。
ジュースとして1リットル飲むのはキツイが、薬だと思えば非常においしい、というのが私の感想。特に心配することはないかと。
寒気がしてきた
モビプレップを飲み始めて何杯目かで、寒くなってきました。
服用中止の注意事項に「寒気」っていうのがあるんですけど、冷蔵庫で冷やした液体を1リットルも飲むんですから、当然身体冷えますよね。
悪寒という感じではなかったので、服を一枚余分に着込んでしのぎます。
モビプレップ1リットル服用後の水500mlは、白湯を飲むことで完全に寒気はなくなりました。
それから、気持ち悪くなるなどの不調もなかったです。
便意が止まらない
モビプレップを飲み始めて1時間もすると最初の便意がやってきました。
最初の1000mlのモビプレップを飲み終え、水を飲み始めるころにはもう5分おきにトイレ通い。水を飲むタイミングがないほど。
5回目くらいには便は透明になったので、残りの1000mlは飲むのをやめました。指定量の水(白湯)500mlはトイレの合間にゆっくり飲みました。
ちなみに下の写真は、病院に提出する書類に排便回数を報告する欄があったので、便が出た時間をメモしたもの。
なんと22回!7~8回って聞いてたのに。22回!
今見ると、7~8回のつもりで書き始めてるのがわかって、ちょっと笑えます。
想定外のトラブル発生
便が透明になったのは良いのですが、10回目くらいからなんだか肛門回りがヒリヒリしてきました。
なんでも腸液というアルカリ性の消化液が、肛門回りの皮膚に付いて炎症を起こすそうで、トイレットペーパーを当ててもウォシュレットの水があたっても飛び上がるほど痛い。
トイレを済ませるたびにどんどんひどくなっていきます。(なんせ22回も出したんですから)
今思えば、ウォシュレットの水があたるたびに、腸液が皮膚につく範囲を広げていたんじゃないかという気がしています。
これから下剤を飲む人は、腸液対策も意識することをおすすめします。
最終的にはヒリヒリどころか傷口に塩レベルの痛さでしたから。
検査当日、病院へ
指定の時間までに受付を済ませ、検査室のある階に移動。
個室に案内され「お尻の部分だけ縫い合わせていないひざ下までの使い捨てズボン」と上は「浴衣型の検査着」に着替えます。上半身は服着たままでOK。
看護師さんがやってきて、肩に腸の動きを鈍くする注射をしました。
しばらくして、いよいよ検査室へ向かいます。
内視鏡検査の始まり
検査台にお尻を突き出すような体勢で横になります。
「麻酔しますのでびっくりしないで」と言われ、おしりの穴に「ひょっっ」という感じでくるんと指をつっこまれました。
そして1分後くらいに、照明が落とされ薄暗い中、いよいよ内視鏡検査が始まりました。
(なんか痛い? 痛いっ!すげー痛い!! イタイイタイイタイイタイ!無理無理無理無理無理!!)
私「痛いです痛いですダメです痛いです、うぅーーーーっ!」
医「最初のところが一番痛いんでね、そこ過ぎればだんだん痛くなくなりますから。」
「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」
医「落ち着いて、深呼吸」
私「痛いっ…んぐっ」
看「ゆっくり息しよう。ふーーーーっ。ふーーーーっ。」
私「ふーーーーっ。ふーーーーっ。んがぁっ!!!」
医「そろそろ楽になってきます」
だがしかし、痛みレベルが多少下がるくらいでずっと痛い。
少しおさまっても、たいした間隔も開けずにまた激痛MAX。
「中止してください」「もう無理です」「痛みがやばいです」そう伝えたいのだが、伝える言葉が頭に浮かんでこない。口をつくのは「痛い」のみ。
あまりの痛みにうずくまった姿勢のまま固まって、身体を動かして訴えることもできない。
気が付くと看護師さんが手を握ってくれていた。
「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」
急に手先がしびれてきた。
私「手がしびれてますっ!」
医「息しすぎ。ゆっくり呼吸して。止めるぐらいでもいい。」
無意識に過呼吸になっていたらしいが、まったく自覚がない。痛みで固まっていた気がするので、なんなら呼吸してなかったといわれたほうがしっくりくる。
「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」
先生の質問に答える以外、口をつくのは「痛い」のみ。その繰り返し。でも無言でもいられないという、なんなんだこれ。
医「遠くを見て気を散らして」
看「あそこのライト見てみようか」
言われた通り壁のライトを見ていると、「痛い」を繰り返しながらもほんの少し気がまぎれる。
医「次は上向いて足を組んでください」
私(えぇ!?こんなに痛いのに動くの?)
なんとか看護師さんに介助されながら仰向けになり、足を組みます。
仰向けになってからはなぜか少しだけ痛みが和らぎました。といっても、なんとか耐えられるかもしれない、という程度ですごく痛いことに変わりはない。
モニターを見ながら説明を受ける
仰向けになってからは、モニターを見ながら説明を受けます。検査前は自分の腸を見るのを少し楽しみにしていたのですが、この時点ですでにヘロヘロです。
正常な腸壁は張り巡らされた血管が透けて見えるが、炎症がおきている部分は血管が見えないということ。
出血した箇所も見ました。ボールペンで書いたような黒い線がありました。もう傷口はふさがっています。
あと、2か所組織を採取したのですが、モニターの中でその動きをした瞬間、おなかの中でプチッとつままれた感覚がわかったのがおもしろかったです。(全然痛くはない)
そんなこんなで地獄の大腸内視鏡検査が終了。後半の記憶が薄い。
検査後
看護師さんから検査後の説明を受けました。
2時間後から食べていいが、香辛料など刺激物や消化の悪い食べ物は今日は避ける。飲み物はすぐに飲んでもいいが、コーヒーはだめ。
だいたい2時間くらいでガスも抜けてお腹も楽になるそうだ。
検査直後のトイレで、「ふふっ」と笑ってしまったくらい長~いおならがでたことは伝えておこう。
検査結果と検査のあれこれ
検査の結果、血便の原因は「虚血性大腸炎の軽いやつ」という事でした。10日くらい(って言ったかな)で自然治癒して、再発することもほぼないそうです。
大腸がんもポリープなどの異常も無かったので安心していいとのことでした。
気になる検査の時間は?
正直わかりません。
ひたすら痛みに耐えるという苦痛な時間でした。結果的に耐えられたんだから10分くらいのような気もしますが、正常時の時間の感覚じゃないと思うので。
恥ずかしい?
婦人科検診のはずかしさに比べれば、へでもない。
服を着た状態で医師に背中を向けて横になるので、想像するような恥ずかしさは全くなかったです。おしり丸出しじゃないので安心して。
どんな痛み?
ひどい下痢をした時のおなかの痛みの数倍痛いという感じ。
たいていの痛みは、「今だけだから」と自分に言い聞かせて我慢できるが、今回は失神するんじゃないかと思うほど激痛。
何故こんなに痛かったのか?
担当ドクターが下手だと痛いっていいますけど、素人考えですが違うと思う。そういうレベルの痛さじゃなかったです。原因がある痛みという感じ。
子宮筋腫があると痛いという記事を読んで、そういえば小さい筋腫があると言われたことを思い出し、後日採取した組織の検査結果を聞きに行った際、担当医に聞いてみました。
「それは関係ないと思います。虚血性大腸炎の人はけっこう痛がります。」
「でも患部が痛いというよりは…」
「腹部全体でしょう?」
「はい」
「筋腫のせいというよりは痛いタイプだったってことです。虚血性大腸炎は再発することはないから、次に検査を受けるときは(別の理由になるので)今回ほど痛くないはず。もしかしたら全然痛くないかもしれない。」
そして、「検査後にいろいろ調べたな」と悟ったであろう先生は、麻酔についても教えてくれました。
「麻酔はリスクもあるので使っているところは少ないです。愛知県内ではほとんどやってないはず。」
という事でした。たしかに、検査程度でリスクは負いたくないです。
それでもまたやるよ、大腸内視鏡検査
すごく痛かったので二度とやりたくないなんて言う話をよく聞きます。今回私はとんでもなく痛い思いをしましたが、必要があればまたやります。
今回のことで自分が大腸内視鏡で痛みを感じるタイプかもしれないというのがわかったんだから、また内視鏡検査の必要があれば、担当医に相談するつもりです。
たとえば、癌による日本人の死亡者数は「女性の1位・男性の3位が大腸がん」だそうですが、大腸がんというのは早期なら治るがんだそうです。
先延ばしにした結果、手遅れになるなんてことは避けたいですからね。
早く検査してれば治るがんをみすみす見逃すなんてダメです。
以上、人生初の大腸内視鏡検査体験談でした。長々と読んでくださってありがとうございました。